今日のお題
Finke Connection!マシュー獲得の深層
レッズの宮崎キャンプ2日目で、公式サイトに漸くフィンケ監督のコメントが掲載された。その中から、いくつかの興味深い言霊(コメント)を拾ってみた。
(まだ始動間もないですが、スピラノビッチ選手や岡本拓也君、彼らが合流してみていかがですか?)
「スピラノビッチに関しては、私は何度も何度も、彼をニュルンベルクで指導してきた人たちと議論を交わしました。そして当時ニュルンベルクを指揮したハンス・マイヤー監督のもとで、彼18歳でありながらも先発で試合に出場するようになり、ドイツカップでも優勝を果たしています。彼は若いときに既にとても大切な名誉あるタイトルを一つ、チームの一員として取っているわけです。そして19歳、20歳になったときに彼は残念ながら2回、3回のケガによって徐々に先発から外れるようになってしまいました。 ケガが回復してからも、一時、先発で試合に出ていることがありましたが、先発の地位を再び完全に取り戻すことができていませんでした。
そして私は、既に2ヵ月前からオーストラリアの代表監督とも連絡を取っていました。この選手に関してもそうですが、私はできる限り、送られてくる映像だけではなくて、同じ監督である仲間の意見をしっかり尊重したいと思っています。そしてそれを私の考えに取り入れたいと考えています。そして彼の一つの長所でありま す、しっかりとした足元の技術によって、ゲームを後ろから組み立てていく能力、これが、もともと評価されていたとおりであったということは、ここでの2、 3日間のトレーニングですでに証明してくれました。
現実的には、例えば今、彼の21歳という年齢で、ドイツ・ブンデスリーガで不動のスターティングメンバーとして試合に出ているような状態なのであれば、このような選手が日本に来ることはまずないでしょう。彼に関して言えば、非常に若いときにスタメンになったが、ケガによって外れてしまった。そして今、彼はそのスタメンの座を再び奪い返そうとしている段階だったわけです。もしかしたら彼の将来的なキャリアアップのためにも、ここに来るということが彼にとっても正しい選択だったのかもしれません。
岡本拓也に関してですが、彼は才能を持っていると思いますし、さまざまな長所を持っています。ですので、この選手をできる限り早く、私たちのこのプロのトップチームに引き上げることによって、彼の能力を最大限に伸ばしていければと考えています」
しかも、2ヶ月前ってことは、昨年11月シーズン終盤にはオーストラリア代表監督、すなわちピム・ファーベークにまで直接電話連絡をしてマシューのフィジカルについて確認したり、ニュルンベルクの指導者に接触しマシューのタレント(才能)について自ら確認している。やはり、隠し玉がでたか…フィンケ監督は、特にマシューのメンタルの部分を確認した上で獲得に動いたようだ。それに映像だけではなく、自ら情報収集や確認をしており、自信と責任を持ってマシューを獲得しているのだろう。何故、マシューを獲得したのかが解ってきたし、彼が今季チームでどれだけ頑張れるかが非常に楽しみだ。
さらに、噂されているサヌーの獲得についても、フィンケ監督のどのようなコメントが聞かれるか楽しみだ。
(今年は昨年と違って、社長や柱谷さんも、優勝とかタイトルをすごく意識してやろうという話をされていますが、それについてフィンケさんはどのように考えていますか?)
「私は昨年もタイトルは取りたいと思っていました。当たり前のことだと思いますが。このサッカー界では誰もが、もっともレベルの高い成功を収めたいわけです。私たちはすべての試合で勝利を収めたいという意識をもって仕事をしています」
今季は、フィンケ監督は「タイトル」という言葉を口にしている。いよいよ「賽は振られた」…2年目でやっと準備が整ったということだろう。
また、どこのメディアか解らないが、フィンケ監督自身の契約問題を質問しているが、フィンケ監督が他人に自分の金銭問題を晒すだろうか。メディアに対して…愚問だね…
契約していなければ、なぜキャンプに突入しているのだろうか?フィンケ監督がメディアとは明確な一線を画し、「メディア・コントロール」を警戒していることは、昨年の監督の様々なコメントや態度から如実に理解できる。しかし、メディアの中には「皮相の見」で、フィンケ監督のコミュニケーション・スタンスとは異なり浅はかな質問を平気で監督にぶつけている。恐らく、今年も一部の浅はかなメディアによる、同様なやり取りが展開されるのだろう…
1971年製作のアメリカ映画で原作がロビン・ムーアによるノンフィクション小説を映画化した『フレンチ・コネクション』(The French Connection)という映画がある。この映画は、第44回アカデミー賞に8部門でノミネートされ、作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 脚色賞、編集賞の5部門を受賞した。
「ニューヨーク市警で“ポパイ”とアダ名されるドイル刑事(ジーン・ハックマン)。彼は捜査のためならば、暴力的なやり方も厭わない。そのドイルが、相棒のラソー刑事(ロイ・シャイダー)と共に麻薬の売人を逮捕したことから、“フレンチ・コネクション”と呼ばれる大組織の黒幕・シャルニエ(フェルナンド・レイ)の存在が浮かび上がる。シャルニエはこれ以上捜査の手が迫ることを恐れ、殺し屋・ニコリ(マルセル・ボズッフィ)をドイルのもとへ差し向けるのだが…。」『Wikepedia』より
子供の頃、この映画の再放送を地上波で見た記憶がある。ニューヨークの地下鉄高架橋下のカーチェースのシーンに子供ながら度肝を抜かれたことを記憶している。若かりし頃のジーン・ハックマンやジョーズでお馴染みのロイ・シャイダーが出演している。フレンチ・コネクションは、刑事と悪の大組織の黒幕との対立構造を主題にしたアクション映画だ。
他方、フィンケ・コネクションは、サッカーにおけるフィンケ監督と海外の「同じ監督である仲間」や旧知の知人や選手たちとの正の関係である。しかも、監督のコメントには心理学、教育学的な思慮や思考が随所に散見される。常に「人」や「人との関係」、「社会」が介在した発言をしていると思う。前から言っているけど、フィンケ監督の思考には私が好きな思想家、哲学者、教育者ルドルフ・シュタイナーの「人智学」がその根底に潜在していると思うのだけれど…どうだろうか?
昨晩のNHKBSの『Jタイム』、今年の展望ということで解説者早野宏史、山本昌那、そして宮澤ミシェルから福西に交代して出演していた。それぞれの解説者が今年期待のJ1チームについて、早野は川崎と広島、山本昌さんは山形、福西は鹿島とガンバを上げている。レッズはノーマークだ…昨年同様に静かに準備して、実力を養い今季の戦いを迎えられることは良かったのではないだろうか。しかも、ACLに出場しないし、W杯代表選手で抜ける主力選手は恐らく多くないだろうから、リーグ戦でのチーム戦力の変動は最小限に抑えられることもプラスの材料となろう。昨年タイトルが取れなかったことは、むしろ今季のレッズにはプラスに動くのではないだろうか?
日進月歩、進化するレッズを見守ろう…
フィンケ監督のコメントを読んでいると、ドイツ語が日本語に訳されていても思慮深い発言が目を引く、本当に『言霊』に相応しい言説だ。今年はレッズの復活と共に多くのフィンケ監督の『言霊』に出合えることにも期待している。宮崎キャンプが、怪我人もなく無事に成果を上げて終わりますように。
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